キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

話題の映画、「ジョーカー」を観てきました

見終わって、しばらく動けなくなりました。

その後なんとか立って、

重い鉛のような気持ちをぶら下げて電車に乗りましたが、

涙が出てきて、一度泣いたら、止まらなくて困りました。

 

ジェシー・ノーマンのアメイジンググレイスを聞けば、

救ってもらえるかと思いましたが、

余計泣けて収拾がつかなくなりました。

 

そしてもう6日経ちますが、

いまだに主人公アーサーの一挙手一投足が浮かび、

スクリーンの前にいるかのような気持ちになります。

 

それくらい、すごい映画でした。

まだ観ていない方のため

ストーリーの詳細は書かないですが、

概略を…

時代は1970年代〜1980年代のアメリカ。

社会の底辺で、ピエロを生業にしながら

コメディアンを夢見ているアーサーという中年男性が、

己ではどうにもならない幾多の苦難に見舞われ、

狂気のジョーカーへと変貌していく物語です。

 

孤独、社会の不条理、差別、偏見、

貧困、母親の愛の欠如、虐待、

現実と妄想、

何が善で何が悪なのか?

 

観る人によっては、もっともっと

色んなことを感じさせ、

強烈に感情を揺さぶられる映画です。

 

私自身は自分の資質と生い立ちから

アーサーに、すっと感情移入できました。

 彼が何かするたび、ある時は共感し、ある時は否定し

またある時は、否定している自分を肯定したり、

分析したりと、ひどく混乱しました。

 

それでも、観るべき映画と一押ししたいです。

なにが凄いって、主演のホアキン、フェニックスの演技です。

彼はこの映画のために、

4ヶ月かけて24キロの減量をしています。

 

優れた俳優は、言い方はなんですが、

ある役をやっている時、その役に必要な存在が

憑依すると聞いたことがあります。

 

「ジョーカー」のホアキンは、まさにその状態です。

映画を観た後、インタビューに答える

普段のホアキンの映像を何度も観て確認しましたが、別人でした。

(外観だけではなく、発しているものが)

彼はあの役を演じるために選ばれ、

役の間は完全に自分をあけ渡し、

アーサーと一体になっていたのでしよう。

 

たとえ映画の内容に共感できなくとも、

あの鬼気迫る演技を観るだけで、
値があるというものです。

 

ホアキンは「ジョーカー」の役を受ける時、

映画の中のアーサーの笑いを表現できるか?
そこにも、
すごく悩んだそうです。

一説には、監督に笑いのデモテープを送ったとか。

 

そかまでこだわった笑いが、すごいのです。

あれは、幾千の涙、気の遠くなる絶望を経た者にしかできない笑いです。

 

あんなに哀しくて切なく、渇望した笑いを、私は初めて耳にしました。

 

映画の中には、他にも色んな仕掛けがあります。

色んな気づきや提案が用意されているということですね。

 

人として生まれたなら、気の遠くなるような転生の中で、

一度は通る苦悩や悲しみ、絶望が満載の映画です。

それを超えなければ、どんな人も、

真の豊かさと幸福に到達できないでしょう。

それが摂理ですね。

 

私はもう一度観に行きます。

まだの方は、是非にとお勧めします。

 

 

 

 

  • 2019.10.25 Friday
  • 21:14