キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

🐾こちらにおいでと呼んでも、少し離れたところにいて来ないのはなぜ?🐾 ネージュさん推定6歳女子 ヨークシャテリア 元保護犬の実例

OREOさんのイベントに来ていただいた、
Mさんのご相談を紹介します。

 

Mさんはご両親と3人で暮らしています。1年前、犬の家族として
ヨークシャテリアのサージュ君を愛護団体から迎えました。
その半年後に、違う愛護団体さんから同じ犬種の女の子、
ネージュさんを迎えます。

 

2頭とも、繁殖用としてブリーダーの元にいた犬です。

繁殖犬をご存じない方もいると思うので、少しご説明します。

繁殖犬とは、読んで字のごとく、子犬を産ませるための犬のことです。

産まれた子犬は、高く売れる小さいうちに親犬から引き離し、
商品として売られていきます。

 

どこに売られていくかといえば、私たちがよく目にするペットショップです。

親兄弟と親密な関係を築き、豊かな感性を育む大事な時期に、
お客さんからよく見える(犬にとってはプライバシーのない)
透明なケースに、1頭で入れられ陳列されます。

一方子犬を引き離された親犬は、またすぐ交配をさせられ、
身体がボロボロになるまで、子犬を産まされ続けるのです。

 

そういう犬たちは当然、心に傷を負い、悲しみを抱えています。

それを覚悟で迎えたMさんだからこそ、サージュ君とネージュさんの
仲が気になっているのでした。

決定的に仲が悪いわけではないのですが、日々小さなことで、

「あれ??」と感じることが多々あって、それは、
具体的に説明できない微妙なことにまであるのです。

 

唯一形としてはっきり出ているのは、質問の、呼んでも、
後から来たネージュさんが来ないことがある点です。
その来ない理由に、2頭の関係性があるなら、

原因を知りたいと言うのです。

そしてその原因の先には、繁殖犬時代の、
心の傷やトラウマがあるかもしれません。

 

相談を受け写真を添付してもらった私の方は、揉めている原因は一
目瞭然というほど、わかりやすいケースでした。

同居どうぶつ間で最も揉めやすい、同じ種類(模様なども含めて)
同じくらいの年齢、似たような名前(呼ばれると、自分?と双方が思ってしまう)
そして、M家の最大のネックは、同じ犬種、似た年齢、似た名前なのに、
まったく違う資質にあると感じたからです。

 

先に来たサージュ君は男の子らしい甘えん坊で、ちょっと気が弱い所もあります。
回りに気を遣うタイプ。

一方ネージュさんは、甘え上手でマイペース。自分の容姿にとても自信があるようです。
(いつも人から可愛いと言われ続けてきたので)そして、
自分がこうしたい!と思ったら、迷わず行動するタイプ。

 

コンタクト取ってみると、彼女はすぐ、こう訴えてきました。

可愛らしく首をすくめて・・・

「サージュとは、先に話ししたの?

「依頼はあなただったから、サージュ君とはお話ししていないわ」

すると、軽くため息ついて…

「こういうことがあると、困っちゃうの。またサージュに
言われちゃう(怒られちゃう)わ」

「あら、そうなの?自分より先に話しをするなんてと、言われるの?

「そうそう!それでね、おまえは新人(僕の後から来たのに)のくせに、
みんなに愛想を振って可愛がられて、図々しい奴だって言うのよ。
時々、そういう目をして、私を睨んだり、実力行使(威嚇など)もされちゃっている」

「あら、それは大変ね。では、みんなで居る時こちらへおいでと言われても、
少し離れた所にいるのは、なにか言われたり睨まれたりしているから?」

あら、よくわかるわねという顔になって…

「おまえは、そこでいいよ!(僕が今可愛がられているのだから)
こっちへ来るなって言うのよ」

 

こんな風に窮状を訴えてきたネージュさんですが、その口調は明るく、
そう困っているようにはみえません。

むしろ何度サージュ君に言われても、自分が行きたい!可愛がってもらいたい!
と思うと、我先に、走り出して行く姿が見えてくるのです。

 

一方サージュ君は…

半年先輩ということは、私たち人間に換算して2年先輩となります。

私たちだって、2年もあとに来た自分と似た容姿、同じくらいの年齢の子が、
自分をさしおいてママに抱っこしてもらおうとしたら、どう感じるでしょう。

ニコニコしてはいられませんし、皮肉の1つも言いたくなるものです。

 

結果を聞いたMさんは、「ああ!やっぱり私の感じていた通りでした。
すごく腑に落ちて、すっきりしました」

今まで色々な所に相談してきたそうですが、一般的な答えしか得られなかったそうです。

「サージュを叱るべき?」

「ネージュを叱るべき?」

2頭とも、犬としてのマナーを覚えるため、

トレーニングに行くべき?」等々、どういう方針で接していいか、

わからなくなっていたのでした。

 

私の方でお伝えしたのは、どちらのことも叱らない。

サージュ君を常に先に可愛がる。可愛がった後、「ネージュも可愛がっていい?」と、
彼に聞いてあげる。聞いてからネージュさんを可愛がり、その時、

サージュ君が少しでも我慢してくれたら、大げさなくらい褒めてあげます。

「さすがサージュ!我慢してくれてありがとうね」

 

気が弱い所のある彼は、褒められることで自信がつきますし、常に自分を優先して
可愛がってもらえる確信や安心ができると、ネージュさんを
威嚇する必要もなくなってきます。

 

一方のネージュさんですが、一見とても明るくチャーミングな彼女から、
私はこんな心の傷を感じていました。

子供を産んでは盗られということを繰り返すうち、何事も深く考えないようになった。
(そうしないと悲しくて生きていけない)

心に秘めた悲しみや淋しさは、人に褒められ可愛がられることで埋めてきた。

 

そんなネージュさんですから、M家に来て、こんなに大事にされ、
うれしくてたまらなかったのです。だからなおさら、もうどこかに行かなくていいよう、
過剰なまでの自己アピールをしてしまうのでした。

※Mさんに聞いたところ、レスキュー後に、2〜3件保護者のお家を
転々としてきたとのことでした。

 

ネージュさんには、毎日こんな風に声をかけてもらうようアドバイスしました。

「サージュに色々教えてもらいながら、ゆっくり家の子になってね。
もうどこにも行かなくていいの。生涯、ネージュのことは守り通すから、安心して」

そう声をかけた後、思いっきり気持ちをこめて、ぎゅっと抱きしめて!
ということもお伝えしました。

 

M家の2頭の場合、こうして安心して暮らせるようになるまで、
人間に換算したら30年以上も、気持を汲んでもらうこともなく、
物のように扱われ、辛い思いをしてきたのです。

なので、劇的な変化は、すぐには感じられないかもしれません。

今までの相談ケースからいっても、必ず、効果を実感する日がきます。

愛と自信と忍耐をもって接してあげてほしいと思います。

 

世の中から、ただ売れればいいという
残酷なペットショップ商法が無くなりますよう、切に願います。

 

そのことを改めて感じさせてくれた、サージュ君、ネージュさん、
実例掲載を快諾してくれたMさんに感謝をこめて💖

 

これからも、飛びきり幸せでいてください!

 

 

 

 

 

 

 

  • 2019.09.28 Saturday
  • 11:20