キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

🌲倒れた樹木をどかす時は…

9日未明の台風で、被害に遭われた方に、そして今も
停電の最中にいる方々に、

お見舞い申し上げます。

千葉県はまだ39万戸以上のお宅が停電で、
完全復旧は13日以降と、さきほどネットで

流れていました。

明日から徐々に涼しくなるようですが、1日も早い復旧を願っています。

神奈川もいまだ停電が続く地域はありますが、千葉県に比べたら

一部の地域ではあります。

 

私が暮らす地区は、幸い被害を目にすることはなかったのですが、
台風以降、
徒歩5分ほどの近所のスーパーに行くと、
なんだか気分が沈むのです。

 

9日の昼は理由がわからなかったのですが、昨日、
なんだかいつも通らないルートで帰りたくなりました。

そこで足の向くまま歩いていましたら、添付写真の光景が見えてきました。

駅の裏手にある小さな公園です。倒れているのは、くぬぎの大木でしょうか…

今回の台風で、折れ曲がってしまったようです。

若い作業員が、4〜5人がかりで樹に縄をかけ、力任せに引っ張っていました。

 

見た瞬間、すごく悲しくなって、いても立ってもいられないという気持ちになりました。

遠巻きに様子を見ようとしましたが、足が勝手に逃げようとします。

(その場を離れようとします)

樹を抜こうと頑張っているのは市の職員で、重機も側にありました。

事態を変えることなどできそうもないので、見ているのが辛くなり、
走って帰ってきました。

 

走りながら、なんでこんなに悲しい気持ちになるのだろうと(自分に)聞いてみた所、

すぐにあることが思い出されてきたのです。

 

7〜10年くらい前のことで、やはり大きな台風に襲われた時でした。

一晩中風が唸り、雨は、屋根が破けるのではという音を響かせていました。

 

ようやく台風が去った翌朝、外に出てみたところ、我が家の玄関横の植え込みの木が、
真っ二つに裂け倒れているではないですか!

ゴールデンクレストという樹で、この家に越して来た時植えたものでしたから、
かなりの大木になっていました。その大きな樹が、家の前の4メートル道路に倒れ、
道を塞いでいるのでした。

ここで、我が家の鉄板の法則のことを記します。

「なにかとっても大事な時に、ヒロ(夫)ちゃんはいない」と言う法則です。
これは結婚して以来一度も破られたことがありません(^▽^;)

その時は確か、北海道に帰っていて不在でした。

 

この事態、自分で何とかするしかないのは明らかです。

私は大慌てで樹の先っぽを持って動かそうとしましたが、
重くて持ち上がりません。

そこで、手と足で(足蹴にして)転がし、端っこに寄せました。

そうこうするうち、近所の奥さんたちが出て来て手伝ってくれました。

そのうちの1人は大工の娘さんで、下手な男性より力も腕もある人です。

そんな頼もしい助けもあって、私を含め女性4人がかりで、ノコギリで樹を切り、

袋に詰めていきました。

みなご近所なので、女同士世間話をしながらでしたから、やっている内、
お喋りに花が咲いて作業がはかどり…1時間ほどで、ほぼきれいになりました。

 

するとその中の1人が、
「みんなでやったらあっという間だったわね。ついでに、
この根っこも抜いちゃう?」と言ってくれました。

しかし、いざやってみると、この根っこがかなり深くて、
広範囲に根を張りめぐらせていました。中々抜けないのです。

 

私は今より若くて体力もあり、エネルギーの世界に足を踏み入れたばかりの頃でした。

どうぶつたちに深い心があることは知っていましたが、植物の心など、
深く考えたこともなかったのです。

そんな感じでしたから、ずっと我が家の門番だった樹を容赦なく扱い、
2時間くらいかけて根っこも全て除去したのでした。

当時の私は、除去したという考えしかなかったのです。

 

その後しばらく経って新しい庭木を購入し、ゴールデンクレストと同じ場所に植えました。

植えた場所は西日がもろにあたるので、そういう場にぴったりという樹を選んだのでした。

 

ところが、買った当初は勢いのある若木でしたが、次第に元気がなくなり、
3〜4年経つと、いつ枯れてもおかしくない状態になってしまったのです。

 

その頃私は、植物の世界のこともわかるようになってきていました。

そこである日、その樹に向かって聞いてみたのです。

(お水も肥料もあげているし、剪定も教わったようにやってきた。
でも、なんでこんなに枯れてしまったの?)

すると即座に、答えが返ってきました。

(ワタシはここに根を張ることができません)

とても弱々しい、遠慮がちな声でした。

(なんで?)と聞いてみたところ、私の額の辺りに前の樹、
青々としたゴールデンクレストが浮かんできたのです。

(ここには、前この家を護っていた樹の意識がまだ残っています。
だから私は、新たに根を張ることができないのです)

そう言われた途端、胸に矢でも突き刺さったような気持ちになりました。
実際私は、声も出ませんでした。ただただ、ずっと護ってくれていた
ゴールデンクレストに申し訳なく、自分のしたことが情けなく、
恥ずかし気持ちでいっぱいになりました。

穴があったら入りたいくらいでした。

 

その日から私は、ゴールデンクレストをイメージし、
話しかけることにしました。

心からの謝罪と、家を護ってくれたことに対する感謝を伝え続けたのです。

 

するとどうでしょう!1か月もしないうち、今の樹から新芽が出始めました。

一生懸命手入れをしても、枯れていく一方だったのにです。

この樹は今ものすごく元気で、ゴールデンクレストを越す背丈に育っています。

 

今日、駅裏公園の大木を見に行ってきました。

私にできるささやかなことがあると、気がついたからです。

 

昨日まだかろうじて立っていた大木は、人が横たわっているような格好で倒れていました。

この暑さですから、作業する人は一刻も早く終えたいのでしょう。

かつての私のように、随分手荒に扱っていました。

昨日の重機に代わって、ゴミ収集車が側にいました。

明日には、この樹は跡形もなく無くなっていることでしょう。

 

読んでくださった方にお願いがあります。

もしこの大木と同じような樹を見かけたら、

心の中で、声をかけてあげてほしいと思います。

言葉は簡単でいいのです。

心をこめて、「今までありがとう」で充分だと思います。

 

駅裏公園の大木へは、こんな風に声をかけてきました。

 

堂々とした姿を見せてくれて、ありがとう。

気持ちのいい木陰を提供してくれて、ありがとう。

風の歌や小鳥の声を聞かせてくれて、ありがとう。

そして、長い間お疲れさまでした。

 

長文お読みくださり、ありがとうございました。

 

 

 

  • 2019.09.11 Wednesday
  • 23:36