キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

🐾仲間の死を悼む、タラソ君(推定6歳Mix男子 アイボリー)の実例🐾

共に暮らす仲間がいなくなった後、どうぶつが別れを悲しみ、

食欲不振や人間の鬱のような症状を示す。

SNSでも最近頻繁に取り上げられていますし、多頭飼育の飼い主さんは、

経験された方も多いことでしょう。

その反面、「どうぶつに、そんな気持ちなどない」と思う、

無知な人(そう言わざるをえません)がいるのも現実です。

今回の実例は、どうぶつには本能しかない。

つまり、衣食住に関する基本的なことを満たそうとする欲求しかない…

そんな考えはやはり間違っている。そのことを、最も如実に示してくれていると思います。

実例の時はいつもそうですが、今回もかなり長文になります。

どうぶつの深い心に理解を示す方は、どうかお付き合いくださいませ。

 

タラソ君の回りの状況と、経緯からご紹介していきます。

タラソ君は、先輩犬のムック君(推定13Mix 男子グレー)と暮らす元保護犬です。

タラソ君のお母さんのOさんは、私が開業時からのお客様で、

定期的に依頼され、常に彼らの願いや気持ちを知りたいと思うような人です。

そんな犬への気持ちは、アニマルコミュニケーションだけにはとどまりません。

犬達を存分に走らせてあげたい、自然の中でのびのび暮らさせてあげたいとの思いから、

住み慣れた都会の家をいとも簡単に手放し、近県の別荘地に移住したのです。

O家の犬は、全て元保護犬です。今は亡き、先住犬レオン君に似た容姿の、

気の毒な状況下の犬を目にすると、特に、心動かされてしまうOさん。

そんな優しい心根で、長男犬のムック君も、大規模な多頭飼育崩壊現場から迎え入れました。

ボロボロだった身体は医療と食事で、心の方はコミュニケーションでケアーします。

他にも、全て犬目線、もうまさに、至れり尽くせりです。

「このお家の犬になりたいなぁ」と誰もが思うであろう、

O家は、まさにそんな一家なのです。

 

Oさんが、某愛護団体にいるキラナ君(推定11Mix 男子黒)を見たのは、

2年前、ネットの里親募集記事でした。ムクムクした感じが、

どことなくレオン君に似ていました。心惹かれ詳しい内容を読んですぐ、

迎えいれようと決めました。年齢がシニアだったことと、心臓疾患があったからです。

挙手する人がいないであろう犬こそ、引き取ってあげたかったのです。

 

はれて家族になったキラナ君は、天性の明るさをもった犬でしたが、

当初、人の言うことにまったく耳を貸さない所がありました。

順番は守らない、怒られてもどこ吹く風、お調子者で生意気、時に反抗的でさえありました。

リーディングしてみると、小さな店舗兼住宅で商売を営む(小間物店や煙草屋など)

おじいさんの姿が見えてきました。大事にしてはいたのですが、

具合が悪くなって入院し、そのまま帰らぬ人となったようです。

留守中は、近隣の人がキラナ君の面倒をみていたようですが、おじいさんの死後、

店が取り壊されると、彼の行き場はなくなってしまいました。

最終的には、センターへ移送されたのでした。

 

おじいさんがいない淋しさに耐え、住み慣れた家は取り壊され、

センターへ送られてしまったキラナ君。なにも考えない風を装って、

の場限りで生きていく。彼の身からしたら、そうするしか自分を保つ術がなかったのだと思います。

 

コミュニケーションで色んなことが分かった後、Oさん夫妻はいっそう辛抱強く

キラナ君に接していましたが、一進一退という時期が続きました。

そんなキラナ君に頑な態度を取るようになったのが、長男犬のムック君でした。

元々ムック君は、温和で静かな犬です。大規模な飼育崩壊現場で、

色んな仲間と共に耐えてきた過去から、非常に忍耐強く賢く、

人間で言えば、きちんとした性格でもあります。

そんな彼ですら、キラナ君の態度に、我慢の限界を感じたのでしょう。

お母さん達が苦労しているのも、おもしろくなかったのかもしれません。

キラナ君はキラナ君で、ムック君に対抗意識を燃やしていました。

長い間認められることがないままセンター送りとなった彼は、

この家の長男犬ムック君に対抗することで、自分の存在を示したかったのだと思います。

 

困り果ててセッションにいらした時、私は、鍵になるのはタラソ君とお伝えしました。

次男坊のタラソ君も、北関東のセンター出身の犬です。

ただ、まだ幼いうちに保護されたので、ムック君やキラナ君のように、

世間一般の苦労を知りません。それプラス、天然系キャラで単純(ムック君曰く)

素直な性格が、2頭のクッション、パイプ役になれると伝わってきたのです。

 

そのリーディングから半年後、O家の一員になってからちょうど1年が経とうというころ、

またキラナ君のセッション依頼がありました。今度は身体のことでの相談でしたが、

写真を見るなり、驚いてしまいました。3頭仲良く並んで写真に収まっているではないですか!

わずか半年前は、一触即発な感じもあった、ムック君とキラナ君が、身体をくっつけ合っているのです。

それはやはり、タラソ君を介して仲良くなっていたっと知り、本当に良かったと思ったものです。

 

その後も3頭の親密さは増し、本当の兄妹か、最初から一緒だった仲間のようでした。

どこへ行くにもOさん夫妻と3頭、ドックランで楽しそうにじゃれ合う動画も見せてもらったものです。

その間、キラナ君は2度の大きな手術に耐えました。

その2回目の手術の後、一旦は回復したのですが…。

今年の126日、その日退院するはずのキラナ君は、病院で旅立ったのです。

 

キラナ君が少しでも良くなるなら、どんなことでもするOさんの悲嘆は、計り知れないものでした。

でも、その悲しみに浸っていられない事態がおきました。

 

ふっと気がつくと、タラソ君の様子がおかしいと言うのです。

ご飯はいつもの半分以下、水もあまり飲んでいない。大好きな散歩も行きたがらないし、

行っても早く帰りたがる。ムック君が一緒じゃない時は特に、

身体を小刻みに震わせ、動かないこともあると。

ずっとキラナ君にかかりっきりだったから、気がつかないうちに何かがあったのか?

元気な様子で出て行った、キラナが無言で帰ってきたことで、

何か誤解して(私達人間に対し)いるのだろうか?それとも、

仲が良かったキラナから何か受け取っていて、それで不安になってしまっているのか?

素直で純真な資質だけに、ともすれば打たれ弱い繊細さもあるタラソ君…

彼に一体何があったのか、気持を聞いてほしい。現実を理解していないようだったら、

私から説明してほしいと言うのでした。

 

タラソ君の写真を見ただけで、悲しみがどっと押し寄せてくるようでしたが、

きちんとコンタクトした途端、深い悲しみ、(自分の)無力感、淋しさ、

(死への)不安感―色々な感情が、洪水のように押し寄せてきました。

私の胸がつまってしまい、過呼吸になったほどです。息を整えていると、

「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」という言葉が浮かんできました。

タラソ君の優しさ純真さは、初めて経験した仲間の死に対処しきれていないと伝わってくるのです。

 

話しかけようとしたところ、上目使いでこちらを見ているタラソ君の顔が

クローズアップされてきました。悲しそうな顔になり、目を逸らしてしまいます。

そこで、こう慰めてみました。

「よく頑張ったね!キラナ君と仲良くしてくれて、いつも励まして

付き添ってくれていたのでしょう?お母さんとお父さんから、そう聞いたよ。

ありがとうって伝えてほしいと、頼まれたの」

私の言葉が終わるや、タラソ君は矢継ぎ早に言いました。

「でも僕は、キラナを助けてあげられなかったよ。あんなに頑張って、

大変な手術をして、あんなに生きたがっていたのに。ずっと一緒にいようね!

春になって温かくなったら、○○しよう!ドックランにも行こうな!

色んな所(犬も一緒に、外でご飯を食べられるカフェ)に連れて行ってもらおう、

僕がお母さんに頼んでみるよ!大丈夫だよ、調子が悪かったら、

キラナはカートに乗って行けばいいんだから…いつもこういう話をしていたのに、

キラナは、動かなくなって帰って来たよ。お母さんもお父さんも、

今まで見たことがないくらい、泣いていたよ。もう僕は、自分をどう保っていいかわからないんだ。

(ムックはいたって冷静だけれど)僕は弱虫なんだよ」

 

話し終わると少し落ち着いてきたタラソ君に、聞いてみました。

1人の散歩の時、すぐ帰ろうとすることと、ブルブル震えてしまうことを…

 

添付写真,鮓ていただくとお分かりの通り、彼らはいつも並んで

散歩に行っていたのです。そんな時、ムック君とキラナ君のクッション役のタラソ君は、

たいてい真ん中にいる感じでした。だから急にキラナ君がいなくなって脇が空き、

そこにムック君までいなくなると、両脇が空いてしまいます。

独りぼっちになったように感じてさらに淋しさがつのり、お散歩を続ける気持ちになど、

なれなかったというわけなのです。

 

こうやって話しているとOさんから聞いていた、ブルブル震えが始まりました。

落ち着いてと慰め、まだ何かあるのと聞いてみると、

「あのね、あのね・・・」と、泣きだしそうな口調になったタラソ君。

「ある日、キラナが僕に言ったんだ。タラソ、いつもありがとうな。

でもオイラ、もしかしたらお前と約束した所に行けないかもしれないなって…

僕はまさかこんなことになるとは思っていなかったから、なに言ってるのさ!

じゃあキラナは、どこに行くんだい?僕はキラナのいくところなら、

どこだって着いていくよ!って言ってしまったんだ」

まさかキラナ君が旅立つとは思っていなかったタラソ君は、そんな風に気軽に言ったのでしたが、

それが今になって思い出され、思い出すと震えてしまうのでした。

「僕は、お調子者だね。なんであんなことを簡単に言ってしまったんだろう。

僕がキラナに着いていくなんて、できもしないのにね!」

 

結果を報告すると、Oさんは号泣してしまいました。

ずっとO家の犬達のコミュ二ケ―ションをしてきた私も、彼らの思いが沁みてきて、

涙がこぼれてきました

 

報告後、Oさんが写真を送ってくれました。(添付写真↓)

名残惜しくて中々出すことができない間、キラナ君のそばにタラソ君は

ずっと付き添っていたそうです。お骨になってかえってきても、

まるで会話をしているように(実際会話しています)

キラナ君の祭壇を見つめているそうです。

 

セッション後、1人でお散歩に行けるようになったタラソ君。

少しずつ、元気になってほしいと願っています。

 

長文お読みくださり、ありがとうございます。

 

どうぶつたちに仲間の死を悼む心があることを、

知っていただけたら嬉しく思います。

それは、どうぶつが、私達人間となんら変わらない、

細やかな感情があることの、何よりの証です。

 

タラソ君の純粋な友情に、Oさんの愛情とキラナ君の生涯に、

最大の敬意をこめて…

 

なぜか写真が縦にならず💦 タラソ君です。

 

キラナ君

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 2019.02.17 Sunday
  • 22:11