キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

🐾雨が好きな犬🐾

5月とは思えない、冷たい雨ですね。

外の雨を見るともなく見ていたら、
行きつけの美容室であった話を思い出しました。

記憶の中に埋没しないうちに、記しておきます。

 

そこは、1人でやっている小さなお店で、腕のいい
男性の美容師さんがオーナーです。そのお店に行くまでなぜか、
美容師さんは女性と決めていたのですが、ヒロちゃんが勧めるので行き始めました。

技術も確かですが、繊細な人で、人から干渉されるのも
干渉するのも嫌というオーラを出しています。そこも、気にいってしまいました。

そんな人なので、適度に放置してくれるのです。
その感じが絶妙で、(無理に)世間話をしなくてもいいのが楽です。
それでいて、決して不愛想ではありません。

お互いそういう波長が合うからか、いつのまにか彼は、
自分のプライベートなことをポツポツ話すようになりました。

 

半年くらい前のある日、「雨が好きな犬っているんですか?」と、聞かれました。
その日は巷によくある心霊っぽい話になって、「私がそんなに怖がることはないと思う。
巷に出ているお話はやらせもたくさんあるので、そんな風に怖がっていると、
かえってよろしくないものに入り込まれる余地を与えることに繋がるかも」
と返したところ、「詳しいですね」と言われたのです。

「どうぶつと話す仕事をしているので、エネルギーのことは、
普通の人より、少しは知っています」と言ったら目を丸くして、
そんな風に聞いてきたのでした。

話を詳しく聞いてみると、あるカメラ店の犬が、雨が降るとお店のドアの所に行って、
じーっと外を見ていると。雨の時しか、そうしないというのです。

「雨の日に散歩へ行けないから、行きたくて外を見ているとか?」と聞くと、
そうではないと。そのお店は、駅を出てすぐのアーケード商店街にあるカメラ店で、
お散歩は雨が降っても行くそうです。高齢の女の子で、
ビーグルとラブラドールのMixみたいな(添付写真はイメージです)犬だそうです。

女の子なので、排泄も室内のトイレでする。雨だから、我慢していて、
外に行きたがっているわけでもないと。

「お気に入りのお客さんを待っているとか・・・」という所に話がいって、
その美容師さんも、今度聞いてみますみたいに言ったところで電話が鳴ったので、
そこで話は終わりました。

なんだか気になったもので、帰り際場所はどこか聞いたところ、
都内でちょっと離れた街でした。(電車で30分くらい)

 

こういう話はたいていそれっきりなものですが、
多分その子の思いが強かったのでしょう…

ヒロちゃんが札幌に帰って暇になったある雨の日、ふっとその話を思い出しました。
一度思い出すと気になって仕方がなく、電車に乗って行ってみる気になったのでした。

駅を降りてすぐに大きなアーケードの商店街が二つありました。
カメラ店は右側のアーケードの入り口、道路に面した所にあったので、すぐわかりました。

 

その日は雨と言っても弱い雨でしたが、その犬は、ちゃんといました。
聞いたようなドアの前にではなく、お店の入り口右手に専用のベッドが置いてあり、
そこに座っていました。

白い毛が多くなって、綺麗なビーグル模様も曖昧な感じになっています。
大きさは、ビーグルとラブラドールの中間という所でしょうか…
顔は、若かりし頃はさぞかしという美形で、穏やかで優しい内面が表情に出ています。

 

形のいい鼻が窓に突くくらい、熱心に外を眺めていました。

私は、彼女のその横顔に向かって意識を集中してみました。
集中してすぐ、「えっ?!」となりました。

バイクの様な銀色に輝く乗り物が見え、そこから降りてくる男の人の映像が観えたのです。
その男性の顔までよくわかりませんでしたが、話をした当の人物、美容師さんに間違いないと感じるのです。

私が驚いていると、胸がキューっと痛くなってきました。愛情や思慕を含んだ、切ない痛さです。

(ずっと会っていない。だから会いたい!!)という声が聞こえたので、
(なぜ雨の日にそうして待っているの?)と聞いてみました。

すると、(雨が降るとお店が暇なので、早く閉めて来てくれたの)と言うのです。

 

連休前、その美容室に行ったので、早速その話をしたところ、彼はハサミを落としそうになりました。
ふだんは静かな男性ですから、それくらい驚いたようです。

そして、「そういえばあの時、なんか話の流れで言ってませんでしたよね…
その店、僕の実家なんですよ」と言いました。

 

犬の名前は、エレナ、御年14歳。彼が実家にいる時はよく散歩に行っていたそうで、
とても懐いていたと。その後彼は実家を出て、このお店を開店し…最初の2〜3年、
とても暇だったそうなのです。(立地があまりよくないこと+営業が得意な人ではない)

雨が降ると、キャンセルが出たりして余計暇になった時期があって、
そういう時、バイクに乗ってよく実家に帰っていたのでした。

 

お店が軌道に乗って4年、バタバタと忙しく、趣味も増えたりして…
実家に帰ったのは2度、元旦だけだそうです。それも今年の正月は、帰っていないと言いました。

「近々、必ず帰ります」と、約束してくれました。

 

「雨が好きなのではなくて、〇〇さんのことが大好きだったんですね!
胸が、もう切ないほど痛かったです」と、私はケープの上から胸を叩いて、伝えました。

 

「もう会えたかな、どんな再会だったのかな」と、気になってきました。

彼が元旦にしか帰らない理由が他にもあること、私の仕事の性質上、チラチラ観えていました。

だから余計、帰ってあげてほしいなと思います。

 

エレナさんの切なる願いが、実を結びますように💖

 

 

 

 

  • 2018.05.09 Wednesday
  • 10:36