キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

ゲバラ写真展に、行ってきました

もう1か月も経ってしまいましたが、恵比寿で開催されていた
ゲバラの写真展に行ってきたことを、記しておこうと思います。
 
革命家で政治家のチェ・ゲバラが好きというと、私の仕事
アニマルコミュニケーターでお付き合いの方には、驚かれてしまいます。
一見すると、結びつかないからでしょう。
私は、社会主義や共産主義に傾倒しているわけではないですし、
ましてや武力による正義の通し方を支持しているわけでもありません。
ですが、ゲバラのことは昔から大好きでした。
初めて彼の写真を見たのは、20代の初め…遠い昔の若い頃ですから、単純に
「なんて素敵なんだろう」と思いました。無知だったので、映画スターかと思ったほどです。
特に、目に惹き込まれました。人懐っこくて、チャーミング、そ
してなんて澄んだ綺麗な目をした人だろうと、思ったものです。
胸がドキドキしたのを、今でも鮮明に覚えています。

 
サルトルから、「20世紀で最も完璧な人間」と言われ、
ジョンレノンから、「世界で一番格好良い男」と言われ、
カストロからは、「道徳の巨人」「堅固な意志と不断の実行力を備えた真の革命家」と、
言われた人だと知りました。
しばらく夢中になっていましたが、戦争のシーンかなにかを見て
これまた単純にガッカリし、そのうち熱が冷めました。

 
当に好きになったのは、こういうエネルギーの勉強を始めてからです。
なにかで偶然、、ボリビアで捕らえられ処刑され、全世界に公開された
彼の亡骸の写真を見つけました。若いころ夢中になったゲバラと知らず、
見てしまったという感じでした。
殉教した聖職者かと思う死に顔で、汚い感じ、惨めな感じは全くしませんでした。
むしろ、完結した、到達した、成就した、とても純粋なエネルギーを感じました。

崇高なものを見た時人がそうなるように、私も、静かに涙をこぼしました。
 
それ以来、ずーっと、ゲバラが大好きなのです。
ご存じない方のために、ゲバラの簡単な略歴を…
若いころ医者を志していた彼は、卒業旅行で横断した南米の貧しさに心を痛め、
次第に帝国主義を憎み、貧しい民衆を解放したいという熱意をもつようになります。
やがて、若きカストロと知り合い共に革命軍として戦い、新たな政権を樹立します。
この戦いに、最初は従軍医として参加したゲバラでしたが、いつも最前線に立ち、
負傷した敵兵にも分け隔てなく治療をする人柄が、次第にカストロの信望を得て、
司令官に任命されたのでした。

 
新政府では数々の要職を任されたゲバラでしたが、彼の凄い所はここからです。
新政府で、自分の役目は終わり、相変わらず世界には虐げられた人々がいることに
いてもたってもいられなくなったゲバラは(一説には、カストロと方針が合わなくなったとも言われています)
あっさりと、地位も名誉も全て捨て、再びゲリラとなって、最前線に身を投じたのです。

 
この時盟友カストロにあてた「別れの手紙」は有名で、私は何度もYouTubeでみました。
YouTubeやネットでゲバラと検索すれば、ものすごい情報量ですから、
興味のある方はご覧になるといいでしょう。素晴らしい手紙です。
私が今回写真展に行った目的の1つが、あの有名なTシャツの元になった写真、
本物が見られるからでした。
(この写真も含め、撮影可能エリアでした)
この写真と、もう一点船の上でのパーテイ写真だそうですが、
じっと見つめていると、彼の内面の葛藤が感じられます。
新政権樹立直後の晴れやかな顔と違って、現実と自分の理想の間のギャップや、
回りの人間模様に憂いていたと感じます。

 
日本へは、1959年7月に、政府間交渉で来ています。
その時に視察したであろう工場の写真も、撮影可で、一枚ありました。
この時ゲバラは、予定に入っていなかった広島行きを、急きょ決行しています。
原爆ドームや施設を見、献花もしているのです。
その際、随行した日本の関係者に、
「君たちはアメリカにこんなひどい目に遭わされて、怒らないのか」と
言い残したことは、
有名です。
ゲバラはよほどショックだったらしく、7月25日に、広島の消印で、
奥さんのアレイダに葉書を出しています。この葉書、現物が残っていて、こんな風につづっていました。
「私の愛する人。今日は広島、原爆の落とされた街から送ります。
原爆慰霊碑には7万8000人の死者の名前があり、合計は18万人と推定されています。
平和のために断固として闘うには、この地を訪れるのが良い。抱擁を。チェ」

 
写真展は、残すところ3日となっていたせいか、すごく混んでいました。
20代の私と同じようなノリの若いカップルや男の子もいましたが、
驚いたのは、40代以降の女性や男性、それも単独で来ている方の多かったことです。

 
私がゲバラを好きなのは、純粋で、言動と行動が完全に一致していること、
私利私欲がまったくないこと、熱烈な理想家だったこと、志が高かったこと、
とても道徳的だったこと…数え上げたらきりがありません。

 
この資本主義の競争社会の中で、なにを悠長な、何の役にも立ちそうもないことを
言っているのだと思う人もたくさんいるかもしれませんが、私はそう思いません。
ゲバラが体現していたことは、人間が人間であるために、
とても大切なことばかりだと、強くそう思います。

 
会場の外に出ると、真夏のムッとした熱気が肌にまとわりつく昼下がりでしたが、
駅まで続く敷地内に、小休止できるベンチがたくさんありました。
写真展会場で見かけた、単独で来ていた大人のサラリーマンやOL風の人たちの多くが、
パンフレットや購入したグッズを手に
持って、ベンチに座っていました。
それぞれが、心に深く響いたゲバラに自分を重ね、勇気をもらい、己を励ましていたのでしょうか…
 
没後50年。39歳でこの世を去ったゲバラですが、今も彼は生き続けています。
  • 2017.10.05 Thursday
  • 00:16