キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

こんな時だからこその超お勧め映画「ジョジョ・ラビット」

映画館はガラガラと聞いて、最近話題の映画を何本か観てきました。

 

ジョジョラビットは、子供の想像の世界だけれどヒトラーが出てくること、

コメディタッチ、反戦映画っぽいイメージがあったので、

最初乗り気ではなかったのですが、
私の周りの人やネットの感想があまりに高評価だったので、行ってきました。

 

結果は、今まで観た映画の中で(フツー程度にしか観ていませんが(^^;)

ベスト5…いや、ベスト3に入るってくらい素晴らしい映画でした。

見逃さないで良かった!と思いました。

 

私が冒頭に書いた色眼鏡的な気持ちをもって、この映画を見逃すと勿体ない。

そして、見えない世界のものにみな不安や怖れを感じている今だからこそ、

是非見てほしい名作と思います。

 

差しつかえない程度に、簡単なあらすじを
(映画.comから抜粋)してご紹介します。

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2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、
空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、
青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために
奮闘する毎日を送っていた。しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、
教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、
仲間たちからもからかいの対象となってしまう。母親とふたりで暮らすジョジョは、
ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。
それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女、エルサだった。

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当時はアーリア人こそが最も優秀な民族、ユダヤ人は下等で、
肌に鱗が生えている化け物のように教えられていた時代です。
(今の時代では笑ってしまいますが)

 

ヒトラー率いるナチスドイツに熱狂する人々の姿は、今のアイドルなど足元にも及びません。
その熱狂で迎えている多くの人が、今の私たちの姿に重なって、人はいかに大きなうねりに弱いか、
不安や恐怖を紛らわせるため間違った強さ(権力を握る人)に傾倒していくかが、
当時の白黒映像と合わせて効果的に挿入されています。

また、たとえ答えが同じになったとしても、ちゃんと自分で考えなければいけないことも、
この映画は嫌みなく(説教臭くなく)提示してくれています。

 

その熱狂シーンには、ドイツ語で歌われるビートルズの
「抱きしめたい」が挿入歌として入っていて、監督の超一流の皮肉と風刺が、す
ごく効いているなと感じました。

 

話をあらすじに戻して、当然、主人公のジョジョも、少年らしい幼さでそう信じ込んでいて、
ヒトラーを尊敬し立派な兵士になろうとしていたわけです。

でもある日、母親が匿っていたエルサの存在に気がついたことで交流がうまれます。

その交流を通して、ユダヤ人も自分たちと同じ人間だという真実に、少しずつ目覚めていきます。

上から教えられた価値観ではない、自分で考え判断することを始めていく…
この中盤あたりから、映画の中のカラフルだった街並みは色を失っていきます。
戦争が逼迫してきたのです。そこから、終戦を迎えるまでが後半になります。

 

この映画の素晴らしさは、最初から拳を振り上げ、「戦争反対」のスローガンをあげずに、
戦時下の10才の少年のリアルな心情を通して、戦争反対の本流に戻っていく点にあります。
そしてその戦争反対の根底にあるものが、
「愛」と「寛容」という普遍的なメッセージという点が、秀逸でした。

 

この映画に出てくる人物は、どの人にも監督の考え、つまり人間への揺るぎない愛や優しさが
投影されていて魅力的なのですが、とくに、とくに、
母親 ロージー(スカーレットヨンハソン)が素晴らしかったです。

正義感があって、強くて逞しい(そして美しい)時には、ジョジョの学校に殴り込んで行って、
教官に蹴りを入れちゃったりもします。でも、ものすごく愛をもっているのです。

 

ロージーが「愛なんて目に見えない」と言うジョジョに、度々言って聞かせる言葉が素晴らしくて、
「憎しみは、勝ちはしない。愛が最強の力よ」「愛は痛いの。お腹の中で蝶が飛び回るような感じ」

ロージーが発する愛の言葉の数々は、作品全体の核の部分として、後半の展開に大きく関わってきます。

 

最初は、ユダヤ人を差別し、ヒトラーを尊敬し、大砲が力と思っていた少年ジョジョが、

そうした目に見える物や規制の価値観から、愛や他者への
思いやりという見えないもの(感情)の揺るぎない価値観へ目覚めていく。

そのことが、戦争への辛口なユーモアを効かせたハートフルな
コメディのタッチという形をとったことで、観客へ違和感なく伝わってきます。

 

この映画はラストも最高に素晴らしいのです!

困難の中にあっても輝く希望と生きる歓びをもつことの尊さや、

人間の素晴らしさがジンワリしみいってきて、

観ていた人はみな、中々席を立つことができないでいました。

 

ちなみにラストシーンで流れるのは、デビィッド・ボウイ
Heroes』のドイツ語版だそうです。

私的には、リルケの詩が最高に良かったです。


「全てを経験せよ

美も恐怖も

生き続けよ

絶望は最後ではない」

 

このまま書き続けていると、どんどんネタバレしてしまいそうなので…

関東ではもう、上映終了しているところも多いので、
映画が好きな方はもちろんのこと、

人間への信頼や希望、愛を感じたい方は、
急いで見に行くことをお勧めします〜。

 

観て、損は絶対にしない映画です💖

 

 

 

 

 

  • 2020.03.15 Sunday
  • 12:56