キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

🐾Lさんが噛んでしまうのはなぜ?(ボーダーコリー2歳9カ月 女子)実例🐾

今回は、1月にWANCOTTで行った
ミニセッションに来てくれたHさんの愛犬、

Lさんの実例をご紹介します。

 

ご存じない方もいると思うので、最初に、
ボーダーコリーという犬種の性質を少し記します。
イギリス原産の牧羊犬。従順で機敏で、活動的で、
非常に知的と言われる犬です。

 

そんな犬種に生まれたLさんですが、ママのHさんとの出会いは、
ペットショップでした。

ある日、道に迷ったHさんは偶然そのペットショップが目に止まり、
猫のご飯の補充をしようと、店に入ったのでした。

そこに、生後6ヵ月のLさんがいたのです。当時犬のことを知らず、
怖いとさえ思っていたHさんでしたが、ガラスのケージ越しに目が合ったLさんの、
不安そうで寂しげな瞳が忘れられなくなりました。

でもLさんは、ボーダーコリーです。通常、犬の初心者が手を出しにくい犬種。
Hさんはそれも知った上で、猛烈に犬のことを勉強して彼女を迎え、
迎えた後もトレーナーさんについてレッスンをつんできました。

 

共に暮らして2年半、今ではすっかり犬好きになったHさん(猫も好きです)
そして家族の一員となったLさんですが、お悩みがあるのでした。

お散歩中、ちょっとしたことで人を噛んでしまうことがあるのです。

トレーナーさんについて、トレーニングしてきたのでずいぶん良くなったのですが…
今回WANCOTTでアニマルコミュニケーションが開催されると聞き、
Lさん自身に直接、噛んでしまう時の気持ちを聞いてみたいと思ったのでした。

 

セッション用に預かったLさんの写真を見た時の印象は、とても美しい犬。
優しく愛情深い性格。そして本来は、ユーモアがあってひょうきんな所もあるという点です。
でもその良い所は今、ほとんど発揮できないでいるようです。

それはなぜかと言うと、いつも、ビクビク・オドオドしているからと伝わってきました。
他人や音にも敏感で、家にいる以外リラックスすることができないでいるようです。
いつも身を硬くしているので、全身が強張っている感じさえします。

Lさんが人間なら、整体の常連だろうなと想像してしまうほどの緊張が伝わってくるのです。

 

こんなに美犬で、今は超幸せなのに、一体何が原因なのでしょう?

私は早速、気持を聞いてみることにしました。

 

自己紹介し、「ママに頼まれてきたの」と話しかけると、
フカフカのクッションで寝ているLさんの姿が見えてきました。

私に話しかけられた瞬間、驚いて飛び起きると、遠くに避難して吠え、
落ち着かなくなってしまいました。
ウロウロ、ソワソワ、ビクビクという感じです。

 

こちらが動かず、急に近づいたりしないという気持ちを送ると、
次第に落ち着いてくれましたが、落ち着くと今度は…

「私(なんか)、ちゃんと話せるかしら…自信がないし不安」という気持ちが伝わってきます。

「エルさんはこんなに素敵な女の子だから、もっともっと自信を持っていいと思うのだけれど…」
そう言ってみると、目を白黒させて動揺し、うつむいてしまいました。

大柄な身体に似合わない小さな声で、こう言います。
「でも、私、どうしたら自信を持てるかわからないわ」

「それは逆にどうしてかな?って思うけれど…スタイルが良くて美しくて、
おまけにとても優しいのだもの。堂々としていて、良いと思う」

するとはにかんだ感じで…

「私今まで、知らない人から、直接そんな風に言われたことがないわ。
ママと知り合うまで、どんどん身体が大きくなっていく私は、
私自身で、自分を持て余しながら生きていたの。
お店の人も本当は困っていて、厄介な存在だったと思う」

厄介な存在とLさんが言った時、ものすごい悲しみと寂しさ、
自分の将来への不安感が押し寄せてきました。

Hさんがペットショップで出会った時感じたのは、Lさんのこの気持ちだったのです。
そこで私は、Lさんの意識の中に深く入ってみました。

 

すると、厄介という言葉の意味がはっきり見えてきたのです。
厄介と言うのは、ショップの店員さんの誰かがそう思っていたのではなく、
ペットショップという形態そのものにあるのでした。
ペットショップは、販売という業務の形態上、犬たちは商品であり、
小さくて誰もが欲しがる月齢のうち、高値で売ることが1番利益となります。
なので小さくて高値な犬は、良い商品となります。
どんなに美しく、性格の善い犬も、売れない商品は店側として困る
(大きくなるにつけ、売れない厄介な商品となってしまう)

6ヵ月までペットショップにいたLさんは、彼女の性質がどんなによくても、
販売という形態上、厄介な商品となってしまっていたのでしょう。

そのことを、Lさん自身が感じながら、日々暮らしていたのです。

 

「だから私はそのころ、いつも不安で、不満(運動と愛情不足)だったの」
とも、Lさんは言いました。

そう彼女は、最初にボーダーコリーの性質の所で記した通り、
広い牧場で、羊たちをコントロールする牧羊犬として生まれてきたのです。

それが、狭いガラスケースの中で日々過ごしていたのですから、
不安と寂しさに加えて運動不足からくる、ストレスもあったと思います。

Hさんがお店の人から聞いたところによると、この頃Lさんはよく吠え、
ケージ内の敷物なども振り回していたそうです。

 

犬の6ヵ月といえば、人間に換算したら小学生です。通常、ペットショップに並ぶ犬は、
生まれて40日前後で親兄弟と離されます。一番大事な幼児の時期に親兄弟と離され、
小学校高学年になるまで、ガラスケースの中で人間の子供を育てたらどうなるでしょうか?

しかも、ガラスケースの前を見ず知らずの人間が通り、見られる本人(本犬)は
隠れる場所もないのです。当然プライベートなど保てません。

これで、良い子供に育つでしょうか?育つ方が不思議なのは、誰が考えてもあきらかです。

でもこれが、日本のペットショップの現状なのです。

 

そんな生活を強いられたLさんに、お散歩中噛んでしまう時の気持ちを聞いてみました。

すると…

「お店の人は、私の面倒は頑張ってみてくれていたの。でも私はボーダーコリーだから、
本来広いところでいっぱい運動しないといけないでしょ?それが、
人間でいったら中学生になるくらいまで、ほぼお店から出たこともない生活をしていたの。
それでいきなり外に出て、物凄い音(音の洪水と言いました)、
たくさんの人間を目にしたもので、パニックになってしまった。
それに私は元々、そんなに強い性格ではないし、それまでの自信のなさが加わって、
本当に怖かった(今はこれでも、ずいぶんよくなった方なの)」

 

Lさんが散歩中に人を噛んでしまう時の気持ちは、パニックからくる恐怖で我を忘れて…

という感じなのです。人間でいえば、「パニック発作」に近い症状です。

Hさんに確認したところ、噛んでしまうのは、知らない人が急に近ずいてきたり、
見慣れない動きをしたり、大きな音がした時ということでした。

 

Lさんが噛むことについて、アニマルコミュニケーションの見地から感じた
対応策も幾つかお伝えしましたが、今Lさんにはトレーナーさんについて
専門的な指導をしているので、ここで記するのをひかえます。

 

噛む犬と聞くと、私たちが持つイメージは、
「凶暴」、「怒り」、「攻撃的」が主なものでしょう。

でもそうではなく、
「自身のなさやパニック」、「恐怖」、「最大の防御」であるケースは、
Lさんのように多いと感じています。

 

そしてその原因を作り出しているのが、日本のペットショップという売り方、

粗悪なブリーダー(繁殖屋)による酷い待遇が主になっています。

 

でもそれを支えているのは、購入する人達がいるから…それを、忘れてはいけません。

純血種と暮らしたければ、飼育環境の全てを公開し、適切な出産計画で繁殖を行っている

ブリ―ダーの元へ行ってください。

 

私個人としては、保護っ子たちかに目を向けてほしいと切に願っています。

純血種にない多様性もあり、なによりとてもキュートです。

「保護っ子は懐かないんじゃない」と心配する方もいますが、
我が家の猫は全員保護猫ですが、とても楽しく暮らしています。

 

中にはその育った過程から、心に傷を持った犬や猫もいますが、
それは今の日本の仕組みで、ペットショップの犬猫も同じなのは、
Lさんの事例からもわかっていただけると思います。

 

Lさんの自信のなさ、音や迫って(くると感じる)人への恐怖は
完全になくならないかも知れません。

でもセッションを終えた後のHさんは、とても朗らかな表情に変わっていました。

全てに納得し、愛おしさが更に増し、これからなにがあってもLさんと寄り添っていこう!と、
決意を新たにできたからでした💖

 

実例ご紹介を、誰かのお役にたてるなら喜んで!と
快諾してくださったHさんに、
感謝をこめて!

怖れに負けず、自分の気持ちを話してくれたLさんには、最大の感謝と賛辞を送ります。

 

長文お読みくださり、ありがとうございました💖

 

 

 

  • 2020.03.10 Tuesday
  • 13:26