キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

海辺のある犬の実例

2週間くらい前のある日、海辺で遊ぶ犬の動画が送られてきました。
以前セッションした方の娘さんが、私に観てもらいたいと言って撮ったのだといいます。
 
そこには、ちょうどラブラドール・レトリバーくらいの大きさの
Mix犬が写っていました。
添付のイメージ写真によく似た、垂れ耳の洋犬Mixです。
とても綺麗で賢そうで、この寒いのに、投げてもらう玩具を取りに、
弾丸みたいに海へ駆け出していきます。海水に膝まで浸かりながら、
玩具を加え、一目散に戻ってきます。
玩具を渡した瞬間、もう海に向かって駆け出していきます。
夕焼けのオレンジ色に染まったシルエットが、黒い影になるくらいまで、
延々と遊んでいるのです。仮にその犬の名を、マリ(女子6歳。以下敬称略)とします。

犬好きなら誰もが見入ってしまう、その遊びの動画でしたが、
ずっと観ていると、私はなんだかぎこちなさを感じ始めました。
というのは、マリが心底楽しんでやっているのではなく、
どこか、この投げてくれる相手へのサービス精神のようなものを感じたからです。

マリと海で遊んでいるのは、マリの飼い主さんの友達と
わかって、「やはり…」と思いました。
毎日とはいかないけれど、誰かがこうして連れ出して、
遊んであげているのだそうです。
飼い主さんといえば、元はこの海で色んなマリンスポーツをしていた、50台後半の女性。
もちろん、以前はマリも毎日一緒に遊んでいたそうです。
それが交通事故で海に出られなくなり、それから1〜2年して癌になりました。
何度か手術をしたようですが、今ではすっかり痩せてしまい、時に
車椅子のこともあるそうです。
そこでかつての海の友達が、飼い主さんに代わって、
こうして連れ出してあげるのだそうです。

動画を送ってきた娘さんは、その海辺の近くのレストランでアルバイトをしています。
テラス席もあって、海から歩いて、そのまま入店することもできるレストランとのこと。
週末になると、飼い主さんの女性とその散歩仲間が、かなりの頻度で、そのお店に来るのです。
体調がよければ、その飼い主さんもお酒を飲むそうです。
犬は本来テラス席だけOKなのですが、常連で、しかもマリはとてもマナーのできた犬。
なので、特別に入店が許されています。

冒頭の海辺に続いて、この時の店内の様子が動画に撮ってありました。
天井が高く、窓も開放的な感じの、洒落た店内が映っています。
丸い6人掛けくらいの大きなテーブルに、マリと飼い主の女性、
散歩してくれる友達4人の姿が映し出されます。
飼い主さんは、痩せてはいますが血色もよく、聞いた話よりは元気そうな感じです。
ピザやパスタの料理と共に、アルコールの瓶がかなりあって、
みんな酔い、陽気に楽しくやっているのがわかります。
でも、マリは、マリだけは楽しそうではないのです。

動画の中では、こんな会話が飛び交っていました。
「私になにかあったら、マリは誰の所に行く?大丈夫〜、心配しないの。
私が死んでも、あんたの行く末は、ちゃ〜んと確保してるんだから!さあ、
誰のところに行きたい?今、決めちゃうから」と、飼い主さん。
かなり酔っているのか舌が回らない感じで、マリの身体を、友達の方へ押しやっています。
マリは、チラッと飼い主さんを見てから押し出された人の方に、身を低くし尾を振って、行きます。
「おー、あんたやっぱり金持ちが好きなのー。そっか犬のくせにねー」と飼い主さん。
すると笑い声があがり、「そんなことないよねー、マリ。こっちへおいで」と、
誰かがマリの首輪に手をかけ引き寄せます。するとまたマリはチラッと飼い主さんを見てから、
首輪に手をかけた人に身体を寄せ、遠慮がちに手を舐めました。
「あ!やっぱわかってるよ。ここんち、豪邸だもん。全館空調なんだもの。
足洗い場だって犬専用のあるからねー。ひょっとしてあんた、
私より、Yちゃんの方が好きー?」また、笑い声があがります。

 
こんな会話が延々と続き、その間マリはその場にいる全ての人に気を遣い、そ
して、身の置き場がないようにみえるというのです。
もちろん、言っている当事者たちはまったく悪気はないのです。
ただ、どうぶつにわかるわけがない、理解できっこないと思っているだけなのです。

 
動画を送って来た娘さんも、アニマルコミュニケーションのセッションを受ける前から、
この光景を何度も目にしていたそうです。
その時は、「ちょっと飲み過ぎてマリが心配しているな。
病気なんだから、早く帰って休んだ方がいいんじゃない…」くらいにしか、思っていなかった。
それが今、どうぶつ達は人間の会話を理解しているとわかると、
同じ光景でも、全く違ってみえるようになったというのです。
「マリは、飼い主さんはもちろん、自分を連れ出してくれる人全員に
すごく感謝していて、気を遣っているんですよね?
そして、悪気はないのだろうけど、飼い主さんの言葉に困っていますよね?」
と、聞いてきました。
それを確かめたくて、動画を送ってきたのです。

彼女の言う通り、飼い主さんから身体を押し出されるたび、
マリは精一杯感謝の気持ちを表しているのでした。そして
飼い主さんの配慮が足りない言葉を浴びても、こう言っていました。
「私は、ママが世界で一番大好きよ。でもママ、昨日散歩に連れて
行ってくれた〇〇さんに、御礼を言ってくる。
昨日は、長い時間、海で遊んでくれたのよ」
マリの気持ちを娘さんに伝えると、
「切なくて健気で涙が出る。どうしたら、飼い主さんたちに
わかってもらえるでしょうか…」という、メールがきました。

私は何点か自分の考えを書きましたが、正直あまり期待していませんでした。
飼い主さんたちが、アニマルコミュニケーションのようなエネルギーの
世界のことを信じそうもないと書いてあったのと、相談者の娘さん自身が、
まだ20歳と若かったからです。いっとき可哀想にと気にかけても、若い人は、
他にたくさん興味を惹かれることがあるでしょう。自分の若かりしころにあてはめ、
そのうち忘れてしまうのではと思っていたのです。

ところが、昨日、その娘さんからメールが来ました。
件名は、「やりました!」で、マリの態度があまりにすぐ変化したので
(本人曰く、即効!だったので)動画を撮る時間もなかったとのこと。
どういう経過でそんなことを飼い主さんに言ってもらえたかは、長くなるので
今度説明しますと書いてあり、とにかく、いつもの飲み会の席で、
こう言ってもらったというのです。
「マリは、優しくて賢い犬だよ。いつもみんなに気を遣ってくれて、ありがとう。
今日は、本当は誰が一番好きなのか教えて。遠慮しないでいいよ、
ママはマリの本当の気持ちが知りたいし、何を聞いても怒ったりしない」

するとマリは、すぐに飼い主の女性の前に座りました。そして伸びあがって、
女性の車椅子の肘宛てに前足を駆けました。それから愛しい者に誰もがする行為、
自分の頭を飼い主さんの顔に押し当て、鼻のあたりを舐めました。

 
誰も疑う余地がないほど迷わず素早く、その場に居た人全員はマリの気持ちを感じたそうです。
飼い主さんは、マリを抱きしめ泣いていたそうです。羽交い絞めみたいにして抱きしめ、
「闘病頑張る!」と泣いていたそうです。

 
どうぶつたちは、本当によくわかっています。
人間が、彼らがわかっていることをわかっていないのです。
 
そしていつも驚くのが、どうぶつたちの愛の深さ一途さです。
私たち(私と言ってもいいです)人間の愛は、どこか思考が混ざっています。
相手の見た目の優劣、社会的地位や評価、自分の都合等々…数え上げたらきりがありません。
本来愛とは、思考ではありません。無条件に湧き上がってくるもの、
自然に発露するもの、無限に注がれるものです。

 
この愛において、私たち人間が、全くかなわないことは確かです。
(以下添付写真は、イメージ画像です。)
  • 2017.11.21 Tuesday
  • 10:03

寒い夜に…

今日は雨が降って、冷たく寒い1日です。
季節はもう、冬に変ったのですね。
 
ここのところ、迷子、身体の調子が悪い子、
旅立った子たちのセッションが続いています。

とくに迷子は、それも良い結果でないご報告の時は、
私も胸が痛みます。
リーディングしたことが、間違いであってほしいと
切に切に願いながら、ご報告します。

 
そんな辛いセッションのご報告が終わると、私はいつもなぜか、
ソックスが入ったタンスに、走っていってしまいます。
私、ソックスフェチなのです。麻や綿をつかった、ナチュラルなソックスがお気に入りで、
冬でも麻のソックスを愛用しています。
可愛い柄、しゃりっとした質感、麻特有のアースカラーに、
なぜかすごーく癒されます。

 
どうしてこんな時、自分の猫を撫ぜて癒されないのか…
多分、迷子や病気の子の依頼主さんに、申し訳ない気持ちになるからでしょう。
辛いご報告した後は、しばしどうぶつから離れて、
違うものに癒されたいからでしょう。

そんなわけで、ここのところ、ソックスが大活躍な我が家です。
眺めているだけでも可愛いので、写真アップしてみました。

病気の子は、どうか穏やかな日がもてますように…
迷子の子は、どうか、お家へ帰れますように…
  • 2017.11.18 Saturday
  • 17:55

大好きな肖像画

フエイスブックでお友達になった方の、お兄様が描く肖像画をご紹介します。

 

私はつい最近まで、写真派だったのです。
でもこの方の肖像画を見た時、
考えが一変しました。

 

写真が直射日光なら、肖像画は柔らかいレースのカーテンから注ぐ光だと、

初めて理解できたのです。

 

写真は、対象が実物そのものなので、見る者の意識がその対象に強烈に固定されます。

その対象が今は亡き愛する者だった場合、時に、
痛みを感じてしまうのではないでしょうか。

強すぎる陽を浴びたように…

よく言われる、「辛くて写真を見られない」が、
その最たるものでしょう。

 

それがこの優れた肖像画は、私たちの悲しみを
柔らかく包み、解放してくれます。

香ばしい思い出に、しごく自然に、
優しくいざなってくれるのです。

 

香川かづあき氏、過去の作品は、こちらからご覧ください。

https://canael-104.blogspot.jp/

 

 今回のマルチーズの肖像画は、新たな試みとのことです。

<ご本人の紹介文より抜粋>

*********************************

Chiaroscuro(陰影素画)の中に

新しい自分の可能性を模索中です。

灰色の紙に黒ペンと白の色鉛筆で

陰影や立体感以外のものをそこに描きたくて。

**********************************

残念ながら、まだオーダーは受けていないとのこと。

オーダー開始となったら、リリーを
お願いしたいと思っています。

 

私の感想文です(飛ばして絵だけ鑑賞なさっても良いかと(^^

 

優れた作品は、普遍的なものを一瞬にしてつかみとり、

作品の中に閉じ込めてくれるものです。

その普遍性は、観る人に、私たちの記憶は永遠なのだと

認識させる力を宿します。

 

この極めて繊細な優れた作品が、まさにそうでしょう。

私はいつも、観た瞬間、魅入ってしまいます。

わけもなく涙が溢れて、止まらないのです。

 

今回の作品のマルチーズは、私の愛した犬と

同じ犬種というだけで、容貌は似ていません。

なのに、彼が息を吹き返したように感じられるのです。

 

その記憶は柔らかく、優しく、かつ、すぐそばに
いるかのごとく鮮烈です。

ただ懐かしく、嬉しく、恋しくて、涙があふれました。

 

25年も前の香ばしい日々へ、一瞬で連れて行ってもらいました。

 

こんな素晴らしい作品を鑑賞できて、幸せな気持ちです。

 

  • 2017.11.16 Thursday
  • 20:56

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